2016年2月8日に開催された、
新米ママをサポートしたいママへ贈る「 ドリームミーティング ~発足と運営の極意~」
静岡県東部で精力的に活動している三大ママ団体の代表+ママとねで、
会を立ち上げるときの苦労や、運営の工夫点などを掘り下げ、会場の参加者とシェアしました。
その具体的内容をご報告いたします!!!!
【お越しいただいた、静岡県東部3大ママ団体】
① 母力向上委員会(富士宮)
② 子育て応援サークル いちご(清水町)
③ 子育て応援サークル tasuki (沼津)
※各団体の詳細は、ページ下部に情報があります。
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進行役は、女性ならではの強みと弱みを知り尽くした、女性就労支援「キャリアリング」代表の上原祥子氏。
熱い思いを語りだすと暴走しそうな代表たちから、適切に答えを引き出してくださいました。以下Q & Aのカタチでエッセンスをまとめます。
内容は、記録に基づき一部再構成しております。
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Q: 団体を立ち上げるにあたって、初めの一歩は何をしましたか?
(母力向上委員会、以下「母力」) 立ち上げた8年前は富士宮市周辺で出産施設が激減し、みな不安がっていた。お産の環境を何とかしないといけないと、副代表の伊藤氏と2人で立ち上げた(塩川代表は看護師/保健師)。一番最初に行ったのは、「お産を語る会」という座談会。 チラシを知り合いや子どもの習い事先などにまいただけで、24人の母親が参加してくれた。それほどニーズがあった、ということ。
⇒地域のニーズを敏感に察知し、自分の強み(保健師)を生かして立ち上げ。
(tasuki) (ママのためのフリーペーパー型地域情報紙 tasuki を発行したが、) 以前住んでいた新潟で同じような冊子があり、手帳に挟んでお守り代わりにしていた。自分、自分、と走ってきて、出産で孤独感があった。お母さんだからこそできることがあると思い、それが自分にとっては(情報)冊子だった。いつでもカバンにいれて持ち歩けて、手元においておけるのがいいと思った。彼女(副代表の楓氏)に、いつもの公園で出会ったのが運命だった。
⇒世の中とのつながりが感じにくい、産後の閉塞感。それを、冊子という形でつないだ。
(いちご) 子育てがつらくてよく泣いていた。人と会うことで心が軽くなることを感じ、まずは、自分の子育てをどうにか気持ちを軽くできるように、出会いを大切に、一期一会を大切に、という思いで、サークルを始めた。最初は児童館で会うことにしたが次につなげるのが大変なので、リトミックや親子体操など、親子が集える場をつくり、会うきっかけを創った。
⇒自分のつらい経験から、身近な友人とできることから開始した。
(ママとね) 転居してきて友人もおらず、孤独育児だった。社会から取り残された感じがあって、情報に飢えていた。繋げてくれる人があって(共同代表の)2人が出会い、同じ思いで一気に「必要だから作ろう」という話になった。最初はウェブサイトを立ち上げた、しかし、案外オンラインだけの情報は届かないと気づき、イベントを行うことにした。300人来てくれたらいいなと思ったら1200人くらい来てくれた。
⇒自分たちの強みを生かして、地域に必要とされるものを立ち上げた。
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Q. 運営費はどうしているのか?行政との関係は?
(母力) 最初に行政のお金に手を着けたのは(笑)、立ち上げて1年たった時。成果発表のような、ママたちの文化祭のようなものを開催したいと思っていたところ、7万円の補助金の記事をみつけ、ドキドキしながら応募した。座談会で吸い上げたママたちのニーズなどを、以前から積極的に行政に伝えるようにしていた。(事業全体では)自分たちで資金を持ちよって活動した期間が長かった(3年くらい)。やりたいことだったから続けられたが、長期的には難しいのでいまNPO化に向けて動いている。
(ママとね) お金がないから、つねに補助金情報はアンテナを張っている。三島市民活動センターのメルマガや、あざれあのウェブサイトはよくチェックしている。補助金はあらゆる角度から活用できる。この事業が地域にどう役立てるのか、常日頃から、新聞などを通して地域のニーズを知っておくとママの押し売りにならない。普段から、理念ややりたいことを熱く語っていると、行政から有用な助成金情報を得られることもあり、常に行政と連絡を密にし関係を良好にしておく。
(いちご) 立ち上げて9年目、行政の方にも活動を知っていただけるようになり、行政側から、講師や委員の依頼をもちかけられるようになった。補助金申請は落ちることもあり、その労力と費用(プレゼンのための交通費など)を考えると、かえって自分の首をしめることにもなるので、慎重にしている。
(tasuki) あえて補助金はとらない。 単発の事業をいくつか開催したところで、その先に何があるのかゴールが見えない。自分たちの目的とは合わない。冊子の製作は、創刊号は自費、一人5000円ずつなら出せるということになって、3人で15000円で1500部を製作した。2冊目から広告の募集のための営業活動をし、3冊目からは営業活動を特別しなくても、ブログやfacebookの呼びかけで協賛をいただけるようになった。冊子そのものが営業。個人サポーター1000円、大きな企業からはそれなりに多くいただく。
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Q. 仲間づくりはどのようにしている?
(ママとね) 口こみで仲間が増えたのと、イベント開催時にはスタッフが増えた。大規模イベントをやめてからは、理念に共感してくれる人が残ってる感じ。
(母力) ファミリーめっせというイベントで新しいお母さんが関わり、その中からスタッフに残る人がでてくる。得意な事などをアンケートした上で適材適所を心がけている。
(tasuki) 少人数で継続している。イベントなど華やかなことはせず、理念を大事に冊子を作るということに絞って活動してきた。自分の家族時間を削ってまで事業を継続することはおかしいと考えて、1年休刊の道を選んだ。代表を、副代表がうまく支えている。
(いちご) スタッフに恵まれている。「雰囲気がよいから自分もかかわりたい」と来てくれたスタッフもいる。得意なことを得意な人がやることを大事にしている。みな母親なので、子育ての悩みや喜びを共感しあいながら、活動に「あったらいいな」を取り入れた企画運営をしている。
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Q. 家庭や子育てとのバランスはどのようにしている?
(母力) メンバーとの信頼関係ができたので、「今はムリです」と言葉に出して他のスタッフに任せる。今は子育て優先、子どもが寝たあと2-3時間が業務(山根氏、末っ子が1歳児)。
(ママとね) 家事の時間はとれないので夫に理解をもとめ、分担している(野田氏、フルタイム)。 平日はママとね業務をするが、土日は家族時間、とメリハリをつけ、スタッフにも公言している(中島、パートタイム)
(いちご) ONOFFの切り替えが難しい。家族時間を確保するため、子どもが帰宅直後の15時から17時はお互いLINEをならさない、などのルール作りをしている。(藤井氏、専業主婦)
(tasuki) まだ悩み中。楓さん(副代表)に頼っている。tasukiの活動はやりたいことだけに絞っている。(杉浦氏。3児の母)
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他にも、ここに書ききれないくらい、たくさんの内容について貴重な経験やそれを踏まえた先輩団体ならではのご意見をお聞かせいただきました。
参加者さんは東は伊東から、北は小山町・御殿場からと広範囲からご参加いただきましたが、「(自分の復職に伴い団体の)後継者がおらず活動を終わりにしようかと思ったが、周りにまずは話してみて活動をしぼって継続できないか考えてみます」とか「自分の周りから、仲間を見つけて何かやりはじめてみたいと思いました」などの声をいただきました。
たくさんのママたちでいろんな活動をして、この地域全体の子育て環境をもっとよくして行けたら・・・と夢は膨らみます。
ママとねはこれからも、地域のつながりを大事にし、また機会をみつけてこのような会を開催していきたいと思います。
※各団体の概要
印刷用にはこちらのPDFファイルをご覧ください⇒ 各団体情報シート一覧
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【参加団体】
① 母力向上委員会(富士宮):『妊娠・出産・子育てをプラスにする生き方』
[登壇者] 塩川祐子氏(代表)、 山根真弓氏(副代表)
② 子育て応援サークル いちご(清水町):『一期(いちご)一会、出会いを大切に』
[登壇者] 藤井さやか氏(代表)
③ 子育て応援サークル tasuki(沼津):『みんなが「tasuki」でつながるような子育ての環境づくり』
[登壇者] 杉浦希未子氏(代表) 楓紋子氏(副代表)
④ ママとね (三島):『赤ちゃん0歳 ママも0歳、ママとね、一緒に育っていこう』
[参加者] 中島あきこ&野田千絵 (共同代表)
各団体のみなさま、お忙しい中、ご参加ありがとうございました。
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● 講座開催の様子を、静岡新聞の2016年2月16日朝刊で紹介していただきました。
● 朝日新聞さんでもとりあげていただきました。Web版でご覧いただけます。
2016年2月17日記事 「県東部のママたちの4団体」
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本事業は、平成27年度三島市子育て支援団体等活動費補助事業 採択事業です。